2023年書初め展

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麗香の作品

「これがまあ終の栖か雪五尺」

(これか(可)ま(末)あ(安)つ(川)ひ(比)の(乃)栖か雪五尺)*雪ー隷書 五尺ー篆書

小林一茶の俳句です。一茶が50歳のとき、永住すると決めた故郷の信濃で詠んだ時の句です。一茶は苦労続きの人生を送り、人生最期を送るために戻った故郷は深い雪。一茶の複雑な心境や不安を思わせますが、同時に、笑うしかないと明るく揶揄しているようにも思えます。


「一心」 *心ー金文

「自分の心」という意味です。「心」という字は心臓の形からできています。”金文”は古い書体なので、心臓の形によく似ています。しかし、「心」は単に臓器を指すだけでなく、感情や意志、精神などを表す言葉です。「一心」は奥深い意味を持つ言葉であり、自分自身も気持ちの持ちようを考えていきたいと思い、作品にしてみました。



大人の作品(掛け軸)

「夜もすがら浦こぐ舟は跡もなし月ぞ残れる志賀の辛﨑」(夜通し浦を漕いでいた舟はもはや跡もない。有明の月が残っている志賀の辛﨑。)

漢字が多く使われている課題でしたが、流れがよいすっきりとした作品になりました。


「伏見山松の陰より見渡せば明くる田の面に秋風ぞ吹く」(伏見山の松の木陰から見渡すと、夜の明ける田の面に秋風が吹いている)

散らしのの変化がきれいな作品です。


「今よりは涼しくなりぬひぐらしの鳴く山陰に秋の夕風」(今日から涼しくなるのだろう、ひぐらしが鳴く山の陰に秋の夕べの風が吹いている)

力強く勢いのある線で書かれています。


「石間行く水の白波立ちかへりかくこそは見め飽かずもあるかな」(石の間を行く水の波が繰り返し押し寄せるように、何度も逢いましょう、それでも飽きたりはしない)

流れのあるとてもきれいな作品です。


「路のべの小野の夕霧立ち返り見てこそゆかめ秋萩の花」(小野の夕霧の中何度も振り返り見てから行きましょう、道端の萩の花を) 墨の濃淡を生かしてリズムのある作品になりました。


「訪ねみるかひはまことに逢坂の関路に匂ふ花にこそありける」(逢坂の関所の道に匂う花が咲いています、訪ねて行ってみる価値がある花です) 散らしがきれいな、繊細な作品です。


「霞まずば何をか春と思はましまだ雪消えぬみ吉野の山」(霞んでいなければ何をもって春と思えばいいのだろう、まだ雪が残っている美しい吉野の山だ) やわらかい線で流れよく書けています。


「ゆかしくば行きてもみませ雪島の巌に生ふる撫子の花」(好奇心がそそられたら行ってみてごらんなさい、雪島の巌に撫子の花が咲いていますよ) きれいな線ですっきりと書けています。


「山寺の二日泊りや栗の飯」

伸び伸びとした線で書かれています。字の大小がリズムを生んでいます。


「雲の峰いくつ崩れて月の山」

動きがよく、線に力強さがある作品です。


「初日さす硯の海に波もなし」

線に張りがありすっきりときれいに書けました。



大人の作品(色紙)

「若紫」(薄い紫色、源氏物語の巻名のひとつ)

やわらかい線できれいに書いています。

「初夢」

「夢」を伸び伸びと書き、リズムのある作品です。


「景福」(大きな幸い、めでたいしあわせ)

力強い線でしっかりと書けています。

「椿寿」(ちんじゅ 長寿を祝っていう言葉)

しっかりとした線で勢いよく書けています。


「和楽」(うちとけて楽しむこと)

流れが良くまとまった作品です。

「佳気」(めでたい気)

「気」を伸び伸びと大きく書き、変化のある作品になりました。


「幽」(奥深い、物静か)

やわらかい線質で伸び伸びと書いています。

「輝」

やわらかい線で書けています。最後の縦画が伸び伸びとしていて良い。


「憧」

力強い線でしっかりと書けています。

「響」

画数の多い字ですが、全体のバランスよく書けました。


「誠」

勢いよく伸び伸びと書いています。

「琢」(みがく)

しっかりとした線で力強い。字形もよくまとまっています。


「恵和」(おだやかなこと)

大小を付けた二文字がバランスよく配置されています。きれいな線で書けています。

「道」

力強い線でしっかりと書けました。



学生の作品

幼「てんち」

紙いっぱいに大きく、力強く書けています。特にはらいに勢いがあり、とても良い。


小学2年「ふじ山」

一画一画をしっかりとていねいに書けています。ひらがなの線がやわらかく、字形もまとまっています。


小学4年「初もうで」

力強くしっかりと書けました。止め、はね、はらいもていねいに書けています。


小学4年「大きな空」

しっかりとした線で書けました。特に「空」が字形も良くきちんと書けています。


小学4年「明るい心」

紙いっぱいに大きく元気に書けました。一画一画をていねいに書いています。


小学6年「四海太平」

力強い線で書けています。字形も整っていてまとまっています。


中学1年「天長地久」(天地が永久に続き終わることがない)

行書の作品です。やわらかくしっかりとした線で書けました。


小学5年「平和の光」

中心を意識してきちんと書けました。それぞれの字形もまとまっています。


小学4年「新しい年」

一つ一つの字をていねいに、バランスよく書いています。


高校2年「無我天真」(無心で飾り気のないこと)

行書の作品です。横長、縦長の字形を意識し、バランスよく書けています。


高校3年「寂然不動」(じゃくねんふどう 静かで何事にも動じないようす)

草書で書いています。やわらかい線で動きが良く、草書の良さが出ています。